Materials練習素材
ここでは無料でギターの基礎知識や練習用の教材、版権が切れた曲のTAB付きの楽譜等を公開しています。リンクからPDFでダウンロード頂けます。アドリブや運指の練習などにお使い下さい。もっと詳しく学びたい方は、ぜひギター教室にお越し下さい。
ギターの種類
ギターは、アメリカ系統のエレキギターとアコースティックギター、スペイン系統のクラシックギターの3種類に分けられます。どのギターが弾きたいかの参考にして下さい。
アコースティック・ギター
1840年代にアメリカ・ニューヨークで、Christian Frederick Martinによって作り出されたギター。
ボディはXブレイシングという骨組みで箱状に作られています。
弦は元々ガット(羊の腸)でしたが、1920年代からカントリー楽器の影響を受けて、鋼と銅合金の弦になりました。
楽器単体で音が出せます。レコーディングやステージではマイクを直接向けます。
主にポップスやロック、ブルース、カントリー、フォーク等の音楽で使われます。
MartinのDreadnought、0(コンサート)、00(グランドコンサート)、000(オーディトリアム)、OMや、GibsonのJ-45、ハミングバード、スーパージャンボなどの形が有名です。
エレキ・ギター
磁石とコイルで出来たピックアップで弦の揺れをアナログの電気信号に変換し、エフェクターとアンプに接続することで音色や音量を変えられるギター。
アンプも楽器の一部であるため、レコーディングやステージではアンプのスピーカーにマイクを向けます。
アーチトップ・ギター(フルアコ)
アコースティックギターのボディの上面をヴァイオリン属と同じ形状にしたギター。
1920年代にアメリカのGibsonによって作られ始め、1930年代からピックアップを搭載して、エレキギターの始まりとなりました。
弦は凸凹のないフラットワウンド弦を使います。楽器単体でも音が出せます。主にジャズで使われます。
Gibson L-5、Gibson ES-175、Gretsch 6120、D'Angelico New Yorker、D'Aquisto Jazz Lineなどの形が有名です。
ソリッド・ギター
そのまま木材を直接切り出して作られた板状のギター。1949年にアメリカのFenderによって作られ始めました。
様々な調整機構を備え、アンプに接続する事に特化させたギターです。
アンプに接続しない場合は、かなり小さい音になります。音楽ジャンル問わず、幅広く使われます。
Fender Telecaster、Fender Storatocaster、Fender Jazzmaster、Gibson SG、Gibson Flying V、Jackson Dinky、Ibanez RG、PRS Customなどの形が有名です。
セミホロー・ギター (セミアコ、センターブロック)
ボディの側面はアーチトップと同じ構造で、中央部分がソリッドギターのような板状になっているギター。1952年にGibsonによって作られ始めました。
楽器単体の場合でも、やや音が鳴ります。
主にブルースやジャズで使われます。Gibson ES-335などの形が有名です。
チェンバード・ギター
木材をくり抜いて箱状にしたギター。1958年にRickenbackerがソリッド・ギターの製造方法から派生させました。
Gibson Les Paulや、Fender Telecaster Thineline、Rickenbacker 330、PRS Custom Hollowbodyなどの形が有名です。
クラシック・ギター
1860年代のスペインで、Antonio de Torresによって作り出されたギター。
ボディはファンブレイシングという骨組みで箱状に作られています。
弦はガット(羊の腸)が使われていましたが、現在はナイロン弦が主流です。
楽器単体で音が出せます。レコーディングやステージではマイクを直接向けます。
主にフラメンコ、タンゴ、ボサノバなどのラテン音楽や、近年のクラシック音楽で使われます。
音の名称
現在の西洋音楽は12種類の音があります。音名はクラシックや小中高の学校教育ではイタリア語などが使われますが、ジャズやロックなどアメリカ発祥の音楽は英語を使います。
イタリア語 | ド | ド# レb | レ | レ# ミb | ミ | ファ | ファ# ソb | ソ | ソ# ラb | ラ | ラ# シb | シ |
英語 | C | C# Db | D | D# Eb | E | F | F# Gb | G | G# Ab | A | A# Bb | B |
ギターの音配置図
ギターのフレットは半音間隔で並んでいます。音は12音あるため、12フレット隣の音がオクターブ違いの音になります。1弦は6弦の2オクターブ上になっています。
フレット | 0 | 1 13 | 2 14 | 3 15 | 4 16 | 5 17 | 6 18 | 7 19 | 8 20 | 9 21 | 10 22 | 11 23 | 12 24 |
1弦 | E4 | F | F# Gb | G | G# Ab | A | A# Bb | B | C | C# Db | D | D# Eb | E |
2弦 | B3 | C | C# Db | D | D# Eb | E | F | F# Gb | G | G# Ab | A | A# Bb | B |
3弦 | G3 | G# Ab | A | A# Bb | B | C | C# Db | D | D# Eb | E | F | F# Gb | G |
4弦 | D3 | D# Eb | E | F | F# Gb | G | G# Ab | A | A# Bb | B | C | C# Db | D |
5弦 | A2 | A# Bb | B | C | C# Db | D | D# Eb | E | F | F# Gb | G | G# Ab | A |
6弦 | E2 | F | F# Gb | G | G# Ab | A | A# Bb | B | C | C# Db | D | D# Eb | E |
マーク | | | | ● | | ● | | ● | | ● | | | ● ● |
ディグリー (Degree)
ディグリーはコードやスケールの音を表すための音程の表記です。ドレミファソラシという音程(音の間隔)を基準に番号を振り、それ以外の音程は♭(フラット)や#(シャープ)を付けて表記します。
スケールの場合は1~7までの1オクターブ、コードの場合は1~13まで2オクターブ分振ります。
Degree | 1 | b2 b9 | 2 9 | #2 #9 b3 | 3 | 4 11 | #4 #11 b5 | 5 | #5 b6 b13 | 6 13 bb7 | #6 #13 b7 | 7 |
C基準 | C | Db | D | D# Eb | E | F | F# Gb | G | G# Ab | A Bbb | A# Bb | B |
D基準 | D | Eb | E | E# F | F# | G | G# Ab | A | A# Bb | B Cb | B# C | C# |
コード (Chord)
コードは曲の部分部分がどういう音の集まりなのかを表記したものです。ジャンル問わず全ての西洋音楽に存在するもので、
演奏したい曲と同じようにコードを鳴らしていくとその曲の伴奏をすることも出来ます。
セブンス・コード (7th Chord)
1オークターブ内で作る4つの音から構成されるコード。
コード名 | 構成音(ディグリー) | 表記法 |
Major 7th メジャー・セブンス | 1 | 3 | 5 | 7 | △7 Maj7 |
Dominant 7th セブンス | 1 | 3 | 5 | b7 | 7 |
Minor 7th マイナー・セブンス | 1 | b3 | 5 | b7 | -7 mi7 |
Minor 7th b5th マイナー・セブンス フラット・ファイブ | 1 | b3 | b5 | b7 | φ7 -7(b5) mi7(b5) |
Minor Major 7th マイナー・メジャー・セブンス | 1 | b3 | 5 | 7 | -△7 miMaj7 |
Diminished 7th ディミニッシュト・セブンス | 1 | b3 | b5 | bb7 | ○7 dim7 |
Augmented 7th オーギュメンテッド・セブンス | 1 | 3 | #5 | b7 | +7 aug7 |
トライアド (Triad)
3つの音で構成されるコード。ジャズ・ポピュラーでは7thコードの簡略版と考えます。
コード名 | 構成音(ディグリー) | 表記法 |
Major メジャー | 1 | 3 | 5 | アルファベットのみ |
Minor マイナー | 1 | b3 | 5 | - mi |
Diminished ディミニッシュト | 1 | b3 | b5 | ○ dim |
Augmented オーギュメンテッド | 1 | 3 | #5 | + aug |
テンション・コード (Tension Chord)
7thコードに9thや11th、13th等の音を加えたコード。
コード名 | 構成音(ディグリー) | 表記法 |
Major 9th メジャー・ナインス | 1 | 3 | 5 | 7 | 9 | △9 Maj9 |
Dominant 9th ナインス | 1 | 3 | 5 | 7 | 9 | 9 |
Minor 9th マイナー・ナインス | 1 | b3 | 5 | b7 | 9 | -9 mi9 |
簡略系のコード
本来は別のコードですが、表記が複雑になるなどの理由で簡略化されたもの。
コード名 | 構成音(ディグリー) | 表記法 |
Dominant 7th Suspended 4th セブンス・サスフォー | 1 | 4 | 5 | b7 | | 7sus4 |
Suspended 4th サスフォー | 1 | 4 | 5 | | | sus4 |
Add 9th アド・ナインス | 1 | 3 | 5 | | 9 | add9 |
Minor Add 9th マイナー・アド・ナインス | 1 | b3 | 5 | | 9 | -add9 |
Power Chord パワー・コード | 1 | | 5 | | | 5 |
コンパウンド・コード (Compound Chord)
分子にコード、分母に一番低い音が書れたコード。分数コードとも呼びます。
インバージョン (Inversion)
コードのルート以外の構成音を一番低い音に使うコード。転回系とも呼びます。例えば低い方から1,3,5,7という並びを3,5,7,1とする場合がこれに該当します。表記はC△7であればC△7/Eとなります。
ハイブリッド (Hybrids)
本来の複雑なコードを簡略化するためや、ヴォイシング(弾き方)を指定するために、3rdを省略して、ルートを構成音から分離するコンパウンド・コードの事。
例えばC,E, G, B, D,という構成音のC△9をC, G, B, Dという構成音であるG/Cと表記する事を指します。
ポリ・コード (Poly Chord)
ピアノで使われる手法で、本来の複雑なコードを簡素化するために左手と右手で分けて考えて、2つコードを上下に書くコードの事を指します。
例えばC△7の場合、分子と分母を上下に並べてE-/C表記します。
スケール (Scale)
ダイアトニック・スケール (Diatonic Scale)
7つの音で作られたスケール。
メジャー・スケール (Major Scale)系
スケール名 | 構成音(ディグリー) |
Ionian アイオニアン (Major メジャー) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
Dorian ドリアン | 1 | 2 | b3 | 4 | 5 | 6 | b7 |
Phrygian フリジアン | 1 | b2 | b3 | 4 | 5 | b6 | b7 |
Lydian リディアン | 1 | 2 | 3 | #4 | 5 | 6 | 7 |
Mixolydian ミクソリディアン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | b7 |
Aeolian エオリアン (Natural Minor ナチュラルマイナー) | 1 | 2 | b3 | 4 | 5 | b6 | b7 |
Locrian ロクリアン | 1 | b2 | b3 | 4 | b5 | b6 | b7 |
カポの使い方
アコースティックギターでロックやポップス等の一般的な曲を演奏する場合、カポを付ける位置は通常、その曲のキーのIのコードがオープン・コードで押さえられるフレットに付けます。
オープン・コードは、以下のギターで最も押さえやすいコードの押さえ方の事を指します。
オープン・コード を基準とした各キーのカポを付けるフレット位置
キー | C | G | D | A | E | B | F# Gb | Db | Ab | Eb | Bb | F |
Gの形が基準 | 5 | 0 | 7 | 2 | 9 | 4 | 11 | 6 | 1 | 8 | 3 | 10 |
Cの形が基準 | 0 | 7 | 2 | 9 | 4 | 11 | 6 | 1 | 8 | 3 | 10 | 5 |
Dの形が基準 | 10 | 5 | 0 | 7 | 2 | 9 | 4 | 11 | 6 | 1 | 8 | 3 |
ブルース (Blues)
19世紀頃のアメリカで行われていた奴隷制度の中、黒人文化の間で生まれた即興演奏を行うための12小節のコード進行の定型であるブルース。現在、主に通常のブルース、クイックチェンジ・ブルース、ジャズブルースの3種類があります。
ロックやジャズ等の起源でもあり、現在でもこれを基にメロディを付けたりコードを変える事で曲として作ったり、ミュージシャン同士のジャムセッション、アドリブの練習等で使われます。
モダン・ジャズ (Modern Jazz)
1940年代頃から始まった楽器のみの構成による即興演奏が主体のジャズ。初期のはビバップ(Bebop)と呼びます。
様々なテクニックが盛り込まれているためジャンル問わず練習にお勧めです。
Charlie Parker (1920年 - 1955年)
ビバップの父としても知られるアメリカのアルトサックス奏者のチャーリー・パーカー。
オリジナル
12小節 Jazz Blues
Fats Navarro (1923年 - 1950年)
アメリカのトランペット奏者のファッツ・ナヴァロ。
Clifford Brown (1930年 - 1956年)
アメリカのトランペット奏者のクリフォード・ブラウン。
Bud Powell (1924年 - 1966年)
ビバップの牽引者であるアメリカ人ピアニストのバド・パウエル。
John Coltrane (1926年 - 1967年)
モダン・ジャズの最盛期に第一線で活躍したアメリカのサックス奏者のジョン・コルトレーン。
1957年 Paul Chambers『Whims of Chambers』収録曲
1957年『Blue Train』収録曲
1959年『Cannonball Adderley Quintet In Chicago』収録曲
1960年『Workin' with the Miles Davis Quintet』収録曲
1960年『Giant Steps』収録曲
1961年『Coltrane Jazz』収録曲
1962年『John Coltrane Plays the Blues』収録曲
1962年『Coltrane "Live" at the Village Vanguard』収録曲
1963年『Duke Ellington and John Coltrane』収録曲
1963年『Impressions』収録曲
1964年『Coltrane's Sound』収録曲
1964年『Crescent』収録曲
1965年『A Love Supreme』収録曲
スウィング・ジャズ (Swing Jazz)
1920年代~1930年代のジャズ。
Django Reinhardt (1910年 - 1953年)
ロマ音楽をジャズに取り入れたベルギーのジャズギタリスト。
スタンダード・ジャズ (Standard Jazz)
映画やミュージカル、ポップスなどの定番曲(スタンダード曲)を題材にジャズにアレンジして演奏するスタンダード・ジャズ。
Victor Young (1899年 - 1956年)
ハリウッド映画やドラマの音楽で活躍したポーランド系アメリカ人の作曲家。アカデミー賞やゴールデングローブ賞受賞なども受賞していてます。ジャズ練習の定番曲です。
Cole Porter (1891年 - 1964年)
ハリウッド映画の音楽やブロードウェイ・ミュージカルで活躍したアメリカの作曲家。ジャズで曲がよく使われます。
Jerome Kern (1885年 - 1945年)
Cole Porterと同時期にブロードウェイ・ミュージカルやハリウッド映画で活躍したアメリカの作曲家。ハーモニーの作りが綺麗であるため、アドリブの練習曲として非常によく使われます。
Vincent Youmans (1898年 - 1946年)
ブロードウェイ・ミュージカルやハリウッド映画音楽のアメリカ人作曲家。
Vincent Youmans (1901年 - 1942年)
白雪姫やダンボ、バンビ、3匹のコブタなどディズニーの映画音楽を手掛けたアメリカ人作曲家。
Herman Hupfeld (1894年 - 1951年)
ブロードウェイ・ミュージカルなどを手掛けたアメリカ人作曲家。