Chord-Scale その2

サブドミナント機能の簡易表記コード編

各コードの構成音とテンションの中からスケールを探す手法のコード・スケール。 表記が複雑なコンパウンド・コードを簡略化するために、分母をルートとして簡易表記するコードの場合は、本来のコードから見つけていきます。 今回はサブドミナント機能を持つコード編です。

7sus4 (セブンス・サス・フォー)

ドミナント機能を持つV7に近い響きでサブドミナント機能を持たせるセブンス・サスフォー・コード。前後のコード進行によって理論上のコードが異なってきます。

理論上のコード

前のコードがII-7の場合、II-7の11thがベースに来るコンパウンド・コード、前のコードがIV△7の場合、IV△7の9thがベースに来るコンパウンド・コードと考えます。 よって、それぞれMajor 7thコードか、Minor 7thコードからスケールを探します。

Chord-Scale

7sus4の各コード・スケール

各コード・スケールは以下のようになります。スケール名は表記上のルートで考えた場合です。どちらもMixolydianスケールを見つける事が出来ます。

Chord-Scale

sus4 (サス・フォー)

トニック機能を持つI△7に近い響きでサブドミナント機能を持たせるサスフォー・コード。

理論上のコード

本来のコードはIV△9の5thか、II-11のb7thをルートに持つコンパウンド・コードです。前後のコード進行によって解釈が変わります。

Chord-Scale

sus4の各コード・スケール

コード・スケールは以下のようになります。スケール名は表記上のルートで考えた場合です。

Chord-Scale

Minor 7th #5 (マイナー・セブンス・シャープ・ファイブ)

トニック機能を持つVI-7に近い響きでサブドミナント機能を持たせるコード。

理論上のコード

II-11かIV△9のコンパウンド・コードです。前後のコードによって解釈が変わるため、選べるスケールも若干変わります。

Chord-Scale

-7 #5の各コード・スケール

コード・スケールは以下のようになります。スケール名は表記上のルートで考えた場合です。Aeolianスケールがどちらにもあります。

Chord-Scale

使い方の例

これらの簡略表記系のコードは、主に前後のコードでも同じスケールの音やメロディ、フレーズ等が使えるようにするために使います。 特に現代のロックやポップスではこの手法がよく使われます。

Chord-Scale